
コラム 8 (2006.6.28)
デモテープって、わかりますか?まぁ今時はCDR に焼くのでテープと言うのも変かな。
曲を依頼されて出来上がった後にレコード会社なり事務所なり発注元に提出する音源の事です。
自分で曲を作ったり、バンドをやっている人なら、まず経験してますね。
最近はPCはもちろんソフトや、もろもろ機材が充実していて、多くのクリエーター達がほとんど完成形に近い状態で提出する様ですね。
完成形に近いと言うのは、ほぼアレンジや打ち込み音源は本番のレコーディングに使える状態と言う感じかな。
そのデモをスタッフが聴いて採用、不採用を決めるんですね。
もちろん色んな手順があるでしょうから一概には言えませんが、まぁこんな感じで世の中に出て行く曲が決まるのが大部分でしょう。
例えばPCを使わないソングライターだとしても、多少なりともPCが扱える人と組んでデモを作るケースもあるんじゃないかな?
メカに弱い僕ですら、PC画面に向かい合ってやってますから。
現在の僕は好き勝手にユニットやセッションでベースを弾いてる比率が多いのですが、ここ数年、何人かのレコードメーカーのディレクターさんと雑談してる中で、僕が危惧していた事と同じ考えを持っている事に気づきました
彼らはチャートの世界の真ん中に居て、メガヒットも出しているんですね。
それくらいのヒットを出すアーティストともなると一般的には取り上げる曲をジャッジするのに何人かの関門をくぐるケースが多いんじゃないかな?
例えばその曲がCMやテーマ曲になるとしたら広告代理店やスポンサーとかもっとジャッジに加わる人が増えるでしょうね。
そんな時、デモの完成度が採用、不採用に影響すると言う事がある気がします。
もちろん出来るだけ僕も人に伝わりやすくと心がけますが、何かひっかかるのはたとえもし有能なメロディーメーカーがいてもPCで完璧なサウンドを提示した人より劣って聴こえてしまいそうな気がするんです。
ディレクターの人達は当然プロの耳を持って判断するのですが、彼らでもデモのトリックに惑わされる事がある様です。すごくわかるんですね、その感じが。
まして失礼ながらあまり音楽好きとも思えない人達がジャッジに加わるケースの場合は、かなり左右するんじゃないかな。
と、まぁここまで書いてと言うか打って指が疲れました。
なんせ携帯でやってるので左の親指が疲れます。
さて話の展開をどうしょうかなー。
携帯画面はパソコンと違って読み返すのが大変だから、長いと何書いたかわからなくなるんです。
誤字や文脈変でも気にしないで読んで下さいね。
話しは戻ります。
きょう発売になった井上陽水氏のアルバムで2曲アレンジしています。
まだ寒い頃だったと思いますが、都内のホテルで陽水氏と打ち合わせをして手渡されたのはMDでした。
持ち帰り聴いてみると流れて来たのは簡単なリズムと生ギターと陽水氏の唄でした。
デモのアレンジは何もされてない状態に近かったですね。
しかしその唄と詞には圧倒的な存在感があるんですね。
逆にアレンジ依頼なんだけど、何もせずにこのままでもOKじゃないかと思えるんです。
音にも唄にも行間があるんです。
何もしない訳にもいかないので想像力を働かせて聴いていると、唄の力で自然にアレンジの方向が見えて来るんです。
これこそ音楽のあるべき姿だと思うんです。
70年代後半から80年代前半、僕が筒美京平さんの曲をアレンジしていた頃、京平さんのデモはリズムボックスにガイドコードのピアノにシンセサイザーのメロディーでした。
それにどうアレンジを施すかが使命であり楽しみでした。
いたってシンプルなデモから京平さんは、あれだけの名曲、ヒット曲を生み出したんですね。
またかなり前の話しですが、吉田 拓郎氏の曲をアレンジした時も面白がったですね。
送られて来たのは当時ですからカセットテープでした。
ギター一本で唄っているのですが、ある所まで来ると唄うのを止めて、曲の説明とリクエストを話しだしてるんですね。
そこからイメージを広げてアレンジするのは大変でもポジティブな楽しい作業でした。
何でも昔のやり方が良い訳でも無いでしょうが、何でも今のやり方が良い訳でも無いですね。
遥か昔の時代からきっと「今時の若い人は」と言う言葉と「所詮、昔の人間だから」的な言葉はクロスして、ずっと何百年も言われ続け、又これからも続くことでしょう。
自戒も含め、音楽の在り方、制作の仕方を考えさせられる最近です。
音楽制作には当然費用が、かかります。
良い環境、有能なミュージシャン、費やす時間等、予算があるプロジェクトは確かにやりやすいです。
しかしクリエイティブな事は、みんな同じかも知れませんが、制作予算に比例して作品クォリティーが上がるとは限らない所が面白いですね。低予算でも素晴らしい作品はたくさんありますね。
今までの自分を振り返ると、正直入り込んだ仕事、忙しさにかまけコンビニエントな感じでした仕事、ヒットした曲、納得した作品でもヒットしなかった曲、豊富な制作予算だった仕事、削り様が無い位の予算の仕事............記述しきれない様な。
でも何か残したい気持ちは強い訳では無いけど、まだまだな感じだね。
音楽やって来て面白い時期かなと今、感じてます。
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